シドニアの騎士：ガウナの深淵を覗き込む騎士は…… : ３６０度の方針転換
アニメ第一期終了記念記事。２話と３話以外はみた。もずくちゃんかわいい。イザナは両性具有設定がもたらす絶妙な距離感にいるな。緑川っぱい。海苔夫はノリで後悔。 さて、シドニアの騎士について改めて思ったこと。不死の船員会は「自分がシドニアを守る」という強い意志から生への執着が強くなり過ぎて、いつのまにか自分の命＞シドニアになってしまったんだろう。同じような変化が小林艦長や長道たちに起きない保証はどこにもない。不老不死であるがために、常にいつまでも、変心の危険に晒されているといえる。 ユレや佐々木みたいなプロフェッショナルなら問題は少ないかもしれないが、艦長は怖いし、長道は危うい。落合は変態。 そもそも不老不死で、異常な再生能力などを持った長道は人間と言えるのか。光合成や人工的な両性具有は？ つむぎは完全に逸脱しているとしても、どこから人間の境界を超えてしまうのだろう。超えてしまってまで戦い続ける
四方世界の王 第２８話「正体と本体と少女」 : ３６０度の方針転換
好きだった娘はインコだった。インコとは淫行できないことにショックを受けるナムル。おまえ、汚濁にまみれたエリシュだって受け止めたくせに、恋愛対象になるとインコじゃダメなのかよ……いや、ダメでも無理はないんだけどね。 そういえば九十九神タイプの神様は居なかったっけ？神話の感覚であれば、動物神と人が交わる話くらい見つかりそうなものだ。自分を神話の中の登場人物くらいに見えているシュルギなら、きっとインコと淫行も余裕ですよ。 シャズの本体がわかったことで、サービスシーンが微妙に感じられることもないのは日本人だけなのかな。子供に容器状態にされたリム＝スィーンの母親はさすがにヤバかったが。 兵を率いて戦っていた連中がおうちに帰っちゃうのには拍子抜けした。最終決戦にやたら弱い連中がたくさん現れて数の暴力をふるう路線の作品が多いのに、ひねくれているなぁ。 まぁ、イバルピエルもジムリ＝リムも現状では共通の敵を
魔法少女サイト１巻 佐藤健太郎 : ３６０度の方針転換
学校でも家庭でも壮絶な暴力を受け、自らの生に絶望していた少女、朝霧彩。彼女のパソコンに「魔法少女サイト」が浮かび、素敵なステッキが送られて来てから、力関係は劇的に逆転する。 いじめっこのリーダー格とその最低な彼氏が、線路に転送されて全身を強く打ち、その件を問いつめようとしたいじめっこの残党が他の魔法少女の能力で首をかき切られる。 魔法少女オブ・ジ・エンドで猛威をふるっている作者の表現力はここでも健在で、犠牲者たちの表情がまぶたの裏に焼き付きそうなほど強烈だ。彩ちゃんが暴行を受けている時の顔で中和中和……別方向に悪化しそうだ。 わずかな寿命と引き替えに、警察に捕まらずに人を抹殺できる力を手に入れたのに、優しい性格に歪みのない彩ちゃんは天使。 感心できない元いじめ傍観者の火本くんと幸せになってほしいものだ。火本くんは彩が心を許していた子猫と一緒で今にも死にそうだが、いい方向に予想を外してくれる
ヒストリエ８巻 腐ってもアテネ : ３６０度の方針転換
ギリシア制覇の野望に燃えるフィリッポス王の前に立ちはだかる老大国アテネ。彼らは同盟二都市への攻撃を跳ね除ける。その背後にはペルシアの影がチラつく。ペルシアお得意の二番手に肩入れする外交戦略が発動しているのか。勝った二番手が新しい敵になったりもするが、統一されたギリシアと相対するよりは遥かに楽な優れた手法である。 アテネがスパルタがテーバイが弄ばれたペルシア大王の長い手に、フィリッポス王はどんな形で対抗して行くのか。 アレクサンドロスの大遠征前史もおもしろい。 “英雄”カレスはカイロネイアの戦いに参加しているので知っていなければならなかった人物だが、さらに初耳のフォーキオンには感心させられた。素粒子みたいな名前をして、実に賢明だ。 まるで早すぎたローマ人。具体的にはキンキナトゥスを連想させる人物だ。清貧でありながら国家のためには身を惜しまない。彼が陶片追放をされることはまず考えられない……よ
マックミランの女子野球部１巻 須賀達郎 週刊少年マガジン : ３６０度の方針転換
美少女揃いの女子高生野球部に男子マネージャーひとり！ハーレム前回のほのぼの４コマ漫画と思わせて……ガチ！ ヒロインたちが全力で野球をしに行っている姿がまぶしく、一周うわまわって萌える作品だ。 別冊少年マガジンから移籍した関係で、最初は登場人物紹介。後半は球陸大学と激突するヴィーナストーナメントが描かれる。 おかげで前作では目立たなかったナインにも光が当たるようになってきており――それでも地味全開の７番レフト中瀬風華が凄い。ここまで来れば逆にキャラが立って美味しいのかもしれない。しかし、おまけ要素でなされているキャラクター紹介をみて（いきなり出てきたら他校の生徒と勘違いしそう）と思ってしまったので同情を禁じえない。一塁から二塁まで普通に歩いて盗塁できたりしないかな？ 目新しい顔も気になるが、やっぱり前から気に入っているキャラの活躍が嬉しい。 二塁手ベッキーの一塁線までカバーする守備はいつみて
ハイスコアガール４巻 小春の告白 : ３６０度の方針転換
日高小春が急成長。女子力もゲーム力もメキメキと上げて、矢口ハルオと再会する。ハルオは小春の一体何が不満だ？評価をする以前に、大野晶以外の女子が眼中にないことを承知の上で怒りを覚えてしまう。 もしも、小春が今の状況で晶を知らないハルオとボーイミーツガールすることが出来たなら……無理のある妄想をしてしまうのだ。ハルオという動機なくして小春がゲームの腕をあげる必然性はない。それどころか、高校生になっても今ほどは垢ぬけていなかったかもしれない。 正反対にゲーセンに入り浸らなければ、もっと凄い美少女になっていた可能性もあるけどな！ まぁ、それは断たれた選択肢の向こう側にいる小春だ。現実には駄目ゲーマーへの恋をこじらせてワンダフルな事になった少女が存在するのみ。対戦ゲームばかりやっていることを不満に思った彼女の思った、 「たまには肩を並べて…「パズルボブル」とかやりたいのに…」が、やたら情緒的でときめ
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い！４巻 １年が終わる : ３６０度の方針転換
普通４巻と言えばキャラクターも増えて来て、物語があらゆる方向に広がる可能性に満ちている時期である。考察も４巻くらいが一番楽しく、一番しやすい。 だが、もこっちは４巻にして閉じている。実行いいんちょさんすら登場することなく、人間関係の広がりは最小限最低限。ハンコ絵オタクはどこへ消えた!?中学時代からの友達ゆうちゃんが頼みの綱で、友情エンドに持ち込むことが出来れば大勝利を謳っていい状況にある……ゆうちゃん本人は順調に大人の階段を駆け上がっているけどな。 もこっちとのこしょこしょ話には本気で興奮した。友人に劣情を抱く最低最悪の喪女に共感してしまうとは不覚だ。というか、共感しっぱなしで辛い。もこっちに比べればマシだと自己暗示を掛けたいけど、つらい。 寒い中、初詣に行っている人間を見下している智子は、自分もまた読者に見下す愉悦を与えている自覚がない。あるわけもないが、凄まじく皮肉だった。 まぁ、自分
俺の妹がこんなに可愛いわけがない１２巻 伏見つかさ : ３６０度の方針転換
おめでとう。万雷の拍手を。二人の未来に幸あれ！ クリスマスイブの告白シーンに居合わせることができたなら、一部の人になって拍手喝采したのになぁ……悔しいぜ。現実と二次元の区別が必要だ。まず、現実にクリスマスイブにあんな場所に独りで行ったらマスクなしで腐海にわけ入った人間のように死ぬ。絶対に死ぬ！ホワイトクリスマス……だと!?お前らにはムシゴヤシの胞子が視えないのかッ（錯乱）。 桐乃が最後までツンツンツンツンしていたことは、個人的には可愛くて良かった。京介の方もきりりんがるを発動しながら悪態を欠かさないし、それでこそ高坂兄妹だと思う。 でも、具体的な行動にはまったく抵抗してないよね、きりりん？アレクサンドロスが乗りこなしたブケファラスのように、びっくりさせることさえなければ結局受け容れちゃいそうな桐乃が可愛くて愛おしくて堪らなかった。 期間限定の恋人は終わったけれど、その手の商品は反応が好評だ
ダーウィンズゲーム１巻 FLIPFLOPs : ３６０度の方針転換
悪友から届いたSNSゲーム「ダーウィンズゲーム」の招待メール。気軽に招待に応じてしまった男子高校生の須藤要だったが、それはリアルで命のやりとりをする禁断のゲームだった！ １ポイントは１０万円で、お金に変えることもできるし、戦いを有利に進めるためのアイテムや機能を使うこともできる。戦略の幅が広くて、面白そうなゲームではあるが、楽しめないまともな人間にとっては堪ったものではない。 いまのところ須藤要は、戦いのセンスがあるにも関わらず、楽しめない人間の側に入っていて、ガチャで実銃が部屋に現れたら半泣きである。大丈夫、修羅の国だと思えばいいよ。 一方、メインヒロインのシュカは完全に愉しんでいる人間だ。４９戦で４９勝の戦績がダーウィンズゲームの画面に表示されており、すでに二桁の人間を殺めていると思われる。メインヒロインになれば何人殺しても許される!? いろいろ謎の多い作品だけれど、最大の謎は“蛇”に
将国のアルタイル 68fasil 女王と道化師 : ３６０度の方針転換
くそっ！この展開を読めていたのに記事にしなかった自分を呪いたい。読めていたのに、読めていたのになー。もう、ちょっと時間があればなー……なんか立体視が難しくなって来たわ〜。 ……がふっ！ 海峡の海戦に圧勝したヴェネディック共和国は躊躇なく二の矢を放つ。ポイニキアとサロスへの火船攻撃で、時代がレパントの海戦からアルマダの海戦まで一気に進んだ。実は赤壁の戦いまで時代が一気に戻った可能性もあるとか言っちゃダメ！ ポイニキア灯台の鎖が、火船攻撃を凌いだことに感動した。数千年の時を経て、いまだに機能しつづける防御設備って素敵だよね〜。元寇の水城とか、そのまんまだけどコンスタンティノープルの城壁とか。バスティーユ牢獄も昔は要塞だったんだけど、要塞としては陥落しまくりらしい。残念。 サロス王国はポイニキアほど地形に恵まれていなかったため港湾設備に甚大な被害を受けてしまった。ほとんどクーデターに等しい状態で
シドニアの騎士１０巻 重力子放射線射出装置 : ３６０度の方針転換
重力子放射線射出装置かよ。完成度高ーなオイ。 「この兵器に貫通できないものはない!!」と称される新兵器、重力子放射線射出装置が飛び出して幸先がいいはずが、制御関係の問題があまりにデカいので不穏な１０巻。重力子放射線射出装置（略称募集中）を搭載した二体目の融合体“かなた”は岐神パパの間違った教育方針もあって、非常に不安定な個体で憐れにも暴走して重力子放射線の一撃を放ってしまう。 その大威力に慄くどころか喜んだ変人が頼りになる小林艦長。新城直衛の「いいじゃないか」を思い出させる態度で、重力子放射線射出装置（間にひらがなを挟んでくれたら安易に略称が付けられたのに！）の計画続行を命じる。さすがは落合に対抗可能なお方だけのことはある。 一歩間違えれば破滅確定のブラックボックスだらけの超兵器を保有しつづけようとは……長道の爺さんは人の身に余る兵器として嫌いそうだな。 まぁ、暴発だったとはいえ、重放射出
オンノジ 施川ユウキ : ３６０度の方針転換
いきなり人っ子一人だけしかいなくなった街をさまよう少女ミヤコ。彼女はフラミンゴ化した少年オンノジとボーイミーツガール。 人間と喋る動物の奇妙な共同生活が幕をあける。 実際にミヤコと同じ状況になった場合のことを、いろいろと考えさせられた。自分だったら、とりあえず一生分の食糧を確保して安心しようとする予感。長期自給体制の確立！ 何故か電気が来ているので、冷蔵庫も動くはずだし、保存食で最期までなんとかなるはず。 しかし、電気が来ているってことは、変な場所で人知れず火事が起こって、それに巻き込まれる可能性もあるわけで結構こわい。そんな事いちいち心配する前に、世界の秘密に迫らなければならない気もするが――漫画を手当たりしだいに読んで続きが読めないことに絶望しなければならない気もする。なんて恐ろしい世界だ！ 最終的にオンノジが人間に戻っていることには驚いた。本当に何でもできるミヤコにとっての魔法使いな
惡の華 第４５話 夜の空ほど君恋しきよ : ３６０度の方針転換
春日ゾーン！？ 説明しよう。発動した春日ゾーンの中では周囲の全てが観客となるのだ！青春劇場に居合わせた人は、この瞬間も自分の人生の主人公は自分であったと確信をもっていえるだろうか？ その意味では夏休みの報道をみてしまった人も、この恋愛劇を見せられた人と、似た感覚だったのかもしれない。中学生時代より、高校生時代の方がかえって陳腐な「劇」になっているけど。 寝取られを前にした晃司が意外と冷静で見直したのだけど、良く考えるとこの期に及んで世間体を気にしているだけのようでもある。 「文は俺の女だ。絶対渡さねー！」と春日に殴りかかるくらいでなければ、文ちゃんしか見えていない春日には勝てない。バイト先でそれをやれば、彼女を守れても、何かは失うわけだが……リア充は多くを持つゆえに弱者だ。 けっきょく、晃司と文のバイト先という戦場設定は、大ポカのように見えて、実はファインプレイだったわけだ。これを天然でや
ブラパ THE BLACK PARADE２巻感想 : ３６０度の方針転換
１巻とはまったく異なる、息がつまりそうな心境で読み進めた。連載を押さえて、あらかじめ展開を知っていたから、どうしても“失われるもの”を意識してしまう。取り戻すことも分かっていたのが慰めか。変なところで次巻へ続いたら耐えきれなかったかもしれない。 いま、１巻を読み返せば、また感想が異なってくるのだろうなぁ。ツノの生えていない藤乃が妙に艶めかしく見えるのも予備知識のせいか。 さて、最終巻ではツノが生えて目にスターが埋まったスーパーヒロイン、フジノは金ではなく黄鉄鉱であったことが判明した。だがそれでも、この世界にはファンタジーの住民が二人、さりげなく存在している。 ひとりは遠藤祐希で、自分探しの旅に出て一つ上の男に成長し、周囲からも一目置かれる存在になった。ゆくゆくは札束一杯のバスタブでワイングラスを傾けていそうな男である。 もうひとりは藤乃の親友、山口理緒子だ。しっかり学業を続けながら、どん底
怪物王女２０巻 元気玉王女 : ３６０度の方針転換
最強のストーカーと化したヒロによってあらゆる次元から集められた姫が融合、妹萌えのシルヴィアを萌やし尽くして引き分けに持ち込んだ最終巻！ これも一種の元気玉である。王が子供たちからエネルギーを食らおうとすることも同じく――エネルギー生命体の宿業か。 一人しか生き残れないはずの兄弟争いは蓋を開けてみればエミールを含めて五人も存在を残す形になってしまった。いろいろとゲーム設計が間違っていたというか、老獪なフヒトが計算を狂わせたというか……次回も性徴したシャーウッドが参戦するので、相当ひっかきまわされる予感。 そうこうしている内に王がエネルギー切れを起こして「餓死」すれば、子供たち全員の勝利と言えるかもしれない。そこまで行かなくても、王にとって「最終勝者」との戦いがどんどん危うくなっている。 その点、ろくな生命エネルギーも持ってなさそうなのに、死霊を撒き散らして事態収拾に王を消耗させたセブランも一
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