「ひっ 人質が補佐の娘さんでも殺すど おっしゃいますか!?」 「撃たす訳ねえだろ。誰が撃たすかよ、俺の娘だぞ。だが…幸いにして人質は俺の娘じゃ…ねえんだ!! こりゃ警察の…キャリアの…ピッカピカの特権だ」 (中略) 「殴るか? 殺すか? 謝るか? あ? ハンパなんだよ。貴様はビクビクと人質を見限る理由を探すバカだ。半端な理恵で屁理屈こねくりまわす舶来のバカ!! まさしくバカだ!! もう一人のバカが言ってたろ。問題は命じゃねえ社会と個人、どっちが選べってよ。集団・社会・国家・世界を統べる者たちも転覆を謀る奴等も、必要なら殺す知恵のある者は皆殺してきたんだよ。殺すってのは倫理じゃねえ…覚悟だ。もう一人のバカ、ジョージ・クリーナー・須賀原。あいつは即答する『娘であっても殺せ』とな…」 塩見の掌底が薬師寺のアゴを捉えていた。ヨダレが弧を描いて薬師寺は倒れた。 「否(いな)っ!!」 (中略) 「……