物流の世界に大異変が起こっています。運送会社は「運べない」「運ばない」の大合唱をし、物流費アップを避けたい荷主である企業は大改革へとかじを切り始めました。一方で、異業種のコンビニエンスストアなどが、新たなモデルを引っ提げ、物流業界に参入しようとしています。今週号の特集では、動乱の物流業界に迫ります。 宅配便が届かない——3月末の消費増税に伴う大混乱。多くの業界関係者がその導火線になったと口を揃えるのが、5年も前に佐川急便が行った下請けへの値下げ要求です。その後、需給がタイトになって佐川が車両の追加を要請すると、マグマのようにたまっていた下請けの不満が爆発、要請に応じないという強硬策に出ました。これによって佐川の運送能力が大幅に低下、玉突きで業界全体として需給が逼迫することになったのです。 さらに佐川は、下請けに値下げを要求する傍らで荷主には値上げ要請を開始。受けないところは切る“禁じ手”に