『昭和レトロなジャズ喫茶論』 集英社クオータリーから刊行された 「コトバ」56 に掲載された、菊地成孔さんの記事「ジャズ喫茶の文化論」を読んで思わず笑ってしまいました。いかにも菊地さんらしい諧謔味に富んだジャズ喫茶論なのですね。 なにしろタイトルが刺激的、「なぜ、ジャズ喫茶はコーヒーがまずいのか?」~あるいは、修行場のパワハラとモラハラ~というのですから、これはジャズファンはもちろん、ジャズ喫茶店主だって思わず手にとって読まざるを得ません。 しかしよく読んでみると、菊地さんが語るコーヒーもフードもみんなまずかった「イーストコースト」という店の話は、今から半世紀も昔のこと。また、「80年代においてもとにかく一貫していたのはコーヒーがまずかった」とも発言していらっしゃるが、これとてもう40年も昔の話なのですね。 それももっともで、「90年代にプレイヤーとして「新宿ピットイン」とかに出演するよう