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  • 福田ますみ 『モンスターマザー―長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い―』 | 新潮社

    衝撃的な一冊だった。「中高生の自殺=いじめが原因」という私たちの先入観に鋭く切り込む労作である。作者は、福田ますみ氏。『でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相―』(第6回新潮ドキュメント賞受賞)でも知られるノンフィクション作家である。 書は、「丸子実業高校『いじめ自殺事件』」として語られてきた事案を、丹念な取材によってまったく新たな角度から問い直した作品である。事件は、2005年12月にさかのぼる。長野県立丸子実業高校1年の高山裕太さんが、自宅自室で首をつりみずから命を絶った。事案では自死以前から、裕太さんへの対応をめぐって、学校と母親との間に意見の相違が生じていた。そして裕太さんの自死という最悪の事態を経て、学校と母親との対立は複数の訴訟に発展していく。 書を特徴づけるのは、私たちが想起する「いじめ自殺」とはまるで異なる視点からのアプローチである。「モンスターマザー」というタイトル

    福田ますみ 『モンスターマザー―長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い―』 | 新潮社
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