毒親について語ると、批判されることがある。中でも「毒親なんて存在しない。親は子を愛するものだ」と言われるのはしんどい。 けれど考えてみれば、普通の家庭に育った方に毒親と「ただ子供が親へ反抗しているだけ」の差は、想像しづらいのかもしれない。 だから一例として、親との会話を書き起こしてみた。父の還暦を祝うため半年前に海外旅行をした時の話だ。 母:見てみて、このお店すっごい丁寧にアクセサリーを作ってる! 私:そうね、きれいね。 母:感じるでしょう、あなたも。 「感じるでしょう」とは霊的なパワーを感じるでしょう、という意味だ。 母は自分が神だと信じている。宗教の信者ではなく自分が神だと。周囲に聖水と称して井戸水を配ったり、信者を集めて集会をしたりしている。そんな親に反抗的な私は狐憑きとされ、手を炎であぶるなど除霊の儀式を受けてきた。母は激高すると街中でも暴れてしまうので、私は妄想に付き合う。 私: