乳幼児を中心に発症し、全身の血管に炎症が起きる川崎病の患者数が、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)以降、3分の2に激減したことがNPO法人日本川崎病研究センターの調査で判明した。川崎病は1967年に故川崎富作氏が報告し、いまだ原因が分からない。患者数の変化から、病気の原因を解明する新たな切り口につなげようと、専門家が調査を進めている。 川崎病は、主に5歳未満の子どもがかかり、全身の血管に炎症が起きる。高熱や両目の充血のほか、イチゴのように舌が真っ赤になったり、全身に赤みを帯びた発疹が出たりする。 症状が重い場合には、患者の心臓に血液を送る「冠動脈」にこぶができ、心筋障害を起こす恐れがある。患者の約3%に何らかのこぶができ、後遺症を残すこともある。 国内では新型コロナの流行が始まる前の2019年までは患者数が増加傾向にあり、19年の患者数は約1万7000人に上った。発病率
「内外の金融経済情勢について思うこと」と題して講演する元日銀総裁の白川方明さん=北九州市小倉北区のリーガロイヤルホテル小倉で2023年11月8日、上入来尚撮影 元日本銀行総裁で北九州市出身の白川方明(まさあき)さん(74)が8日、同市小倉北区で開かれた第60回「毎日・北九州フォーラム」(北九州地域懇話会、毎日新聞社主催)で「内外の金融経済情勢について思うこと」と題して講演し、人口減少などの問題を抱える日本の将来と解決への展望を語った。【石田宗久】 悲観的材料に事欠かない 小倉の生まれで、先ほども高校時代の同級生と昼食を一緒にしたが、故郷に帰ると本当にいいなあと深く思う。 内外の金融経済情勢について思うことを話したい。まず日本経済の現実だが、非常に悲観的な材料には事欠かない。まず成長率が低迷している。工場や機械施設、労働が目いっぱいに稼働した時にどれぐらい経済が成長するかの潜在成長率は、日本
自見英子万博担当相は17日の衆院内閣委員会で、2025年大阪・関西万博の基本計画で想定する来場者数や参加国数について「達成したか否かをもって、万博が成功したか、失敗したかを判断するものではない」と述べた。 日本国際博覧会協会が20年に策定した基本計画では、来場者数2820万人、参加国150カ国と想定している。万博の効果を測定するための数値目標の設定については、「万博の意義が時代とともに変化している。一定の数値目標を掲げ、達成したかどうかで万博の成功、失敗を判断するものではない」と答弁した。 政府は毎年策定する経済財政運営の指針「骨太の方針」などで、政策立案時に具体的な数値目標を定めることを重視している。 また、万博閉幕後に撤去し、木材として再利用する予定の木造建築物「大屋根(リング)」に関しては、「どのように活用するか、具体的なことが決まってはいない」と述べた。一部で大屋根として保存すべき
埼玉県所沢市長選で初当選した小野塚勝俊氏の演説を聞く聴衆=同市の西武線所沢駅西口で2023年10月21日午後7時36分、高木昭午撮影 22日に投開票された埼玉県所沢市長選。初当選した小野塚勝俊氏は、子育て世代に積極的にアピールして支持を広げ、自民県連会長のお膝元で自公推薦の現職を破った。選挙戦直前には、自民党県議団が提案した小学3年生以下の子供の放置禁止を盛り込んだ県虐待禁止条例改正案が批判を浴びた。県内の自公関係者からは、同改正案を敗北の一因とし、今後の選挙への影響を心配する声が出ている。 選挙戦で小野塚氏は、泉房穂・元兵庫県明石市長の全面応援を受けた。泉氏は駅頭などで小野塚氏と並んで演説し「子供重視で明石市政を行った。すると経済もよくなった」と経験を語った。 演説の聴衆には、幼い子供を連れた若者の姿が目立った。幼児を腕に抱いた男性は、「所沢は…
冷凍庫に山積みにされているホタテ=北海道紋別市の水産加工会社「丸栄水産」で2023年9月14日午後3時51分、本多竹志撮影 政府は18日、日本産ホタテの殻むきなどの加工業務を、受刑者の刑務作業に加える方針を固めた。東京電力福島第1原発にたまる処理水の海洋放出を受け、中国は日本産水産物の全面的な輸入停止措置を続けている。中国で日本産ホタテの加工ができなくなっていることから対応策を決めた。 農林水産省と法務省の幹部が同日、自民党幹部に経緯を説明した。中国に輸出されるホタテは、加工後に中国から米国に再輸出されるケースがあった。日本では加工業務を担う働き手不足が課題となっており、受刑者の刑務作業に加えるなどして日本国内での加工を促し、中国への依存脱却を図る考えだ。 農水省などによると、刑務所内でホタテを加工すると、欧米などに輸出するために必要な食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」を満た
大阪城を背景に有人飛行する空飛ぶクルマ=大阪市中央区で2023年3月14日午後1時37分、梅田麻衣子撮影 2025年大阪・関西万博の目玉の一つ、「空飛ぶクルマ」の商用運航に向けた機体量産が開幕に間に合わない見通しとなっている問題で、自見英子万博担当相は13日の閣議後記者会見で「量産体制の整備までを必ずしも求めていない」と述べ、万博での飛行実現には支障がないとの認識を示した。大阪府の吉村洋文知事も同日、報道陣の取材に商用運航を目指す方針に変わりはないとした上で、「飛べば十分。最初から地下鉄のように飛び交うイメージにはならない」と強調した。 「空飛ぶクルマ」は「電動」「垂直離着陸」などの特徴を持つ航空機。国や大阪府・市は「未来社会を象徴する乗り物」として万博での商用運航を実現させ、その後の普及につなげる構想を描いてきた。万博では会場の夢洲(ゆめしま)と大阪市湾岸部や兵庫県尼崎市などとの間を結ぶ
ロシアのウクライナ侵攻に反対する在日ロシア人による反戦デモで「ロシア人も戦争反対」と声をあげる人たち=東京都渋谷区で2023年2月25日、和田大典撮影 ロシアのウクライナ侵攻開始以来、日本の社会運動や知識人らの一部に、ロシア擁護論やウクライナ批判があります。なぜこうなるのか? 今の情勢で反戦運動は何を主張すべきなのか? 学生時代からさまざまな運動に関わり、開戦後はウクライナの左翼団体への支援活動をするノンフィクション作家、加藤直樹さんに聞きました。【聞き手・鈴木英生】 ウクライナ批判を始めた左翼の友人たち ――加藤さんは、侵略に抗しつつ労働問題などに取り組むウクライナの左翼団体への募金活動などをしました。 ◆ウクライナの左翼団体「社会運動」を支援しようと思った元々の理由は、驚きと怒りです。開戦後すぐ、SNS(ネット交流サービス)で日本の左翼や平和運動系の友人たちが何人も、ウクライナがいかに
海外パビリオンの建設が遅れている2025年大阪・関西万博を巡り、別の問題が浮上している。前売り券の購入を割り当てられた経済界が二の足を踏んでいるのだ。「枚数が多すぎてさばききれない」といった悲鳴が漏れ、購入しても前売り券が塩漬けになる恐れもささやかれている。前売り券は万博の運営費を開幕前に確保する手段だ。いったい何が起きているのか。 1枚6000円、1社15万~20万枚 「アレの対処法、見つかりましたか」 「とんでもない。御社と状況は同じですよ」 こういったやり取りが23年夏、関西の主要企業で財界を担当する社員同士で交わされた。アレとは、関西経済連合会(関経連)へ副会長を輩出している16社に割り当てられた万博の前売り券購入のことだ。関経連は関西の経済界の取りまとめ役を担っており、関西に本社を置く企業やゆかりのある企業が中核を占める。 万博を開催する資金は会場建設費と運営費に大別される。前者
医療事故調査委員会から結果報告を受け、報道陣の質問に答える飯岡綾乃さんの夫英治さん=愛西市役所で2023年9月26日午後5時13分、塚本紘平撮影 愛知県愛西市で昨年11月、飯岡綾乃さん(当時42歳)が新型コロナウイルスワクチンの接種後に死亡した事案。26日、最終報告書を公表した市医療事故調査委員会の長尾能雅委員長(名古屋大病院副院長)は「コロナ禍で急ピッチで集団接種が行われてきた中、もう一度、医療現場や行政などはこの出来事を真摯(しんし)に受け止める必要がある」と話した。 報告書では、飯岡さんがアナフィラキシー(重いアレルギー反応)を起こしていた可能性を指摘。そのうえで「早期にアドレナリンが投与された場合、救命できた可能性を否定できない」と結論づけた。
交通事故を巡る刑事裁判で無罪が確定した後も運転免許の取り消し処分が撤回されないとして、福岡市の会社員女性(45)が福岡県に処分の無効確認などを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は26日、処分を無効とした1審・福岡地裁判決を支持し、県側の控訴を棄却した。高瀬順久裁判長は、これまでの刑事裁判や無効確認訴訟の1審判決と同様に、事故状況について女性側の主張を認め、「(女性の)不注意で発生したとは認定できない」とした。 判決によると、福岡市早良区の国道263号で2017年2月、女性が運転する軽トラックが原付きバイクに衝突し、バイクを運転していた少年(当時18歳)が重傷を負った。県公安委員会は、同一車線の前方を走行していたバイクの発見が遅れたために追突したとして同年12月に女性の運転免許を取り消し、福岡地検は18年5月に自動車運転処罰法違反(過失致傷)で在宅起訴した。
記者会見で男性医師の労災を認めるよう訴える川人博弁護士(右)ら=東京都千代田区で2023年9月22日、宇多川はるか撮影 患者の急変対応からみとりまでを担った宿直は、労働時間ではないのか――。東京都内の病院に勤務していた50代の男性医師がくも膜下出血を発症して寝たきりの状態になり、2019年に過重労働で労災申請した。ところが、宿直業務は労働時間から除外する扱いとなった上、日常業務も精神的負荷が軽いと判断され、労災は認められなかった。 22日に都内で記者会見した男性の代理人を務める弁護士の川人博・過労死弁護団全国連絡会議代表幹事によると、男性はこの病院の緩和医療科で唯一の臨床医として、外来や入院の患者に対応していた。
就任記者会見に臨む河野太郎デジタル相=東京都千代田区で2023年9月14日午前11時19分、玉城達郎撮影 国の給付金などを受け取る預貯金口座が別人のマイナンバーに誤ってひも付けられて登録されるケースが相次いだ問題で、政府の個人情報保護委員会は20日、デジタル庁をマイナンバー法と個人情報保護法に基づいて行政指導した。誤った登録を防ぐための対策が不十分だったと判断し、10月31日までに対応状況を報告するよう求めた。デジタル庁が指導を受けるのは初めて。マイナンバー法を所管する官庁が指導を受ける異例の事態となった。 マイナンバーとひも付けることで給付金などを受け取れる「公金受取口座」制度を巡っては、他人の預貯金口座が登録されるミスが疑われるケースが6月末までに全国で940件起き、口座番号などの情…
鈴木淳司総務相は15日の記者会見で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体の会合に自身が1回、秘書が3回出席したと明らかにした。自身が出席したのは2022年参院選の立候補予定者を応援する会合だったという。 関連団体に対し、秘書が出席した会合の会費など4件の支出があり、祝電を3回送ったことも明らかにした。「強い要請があった場合にやむを得ず…
内閣改造と自民党役員人事を経て16、17日に実施された毎日新聞世論調査で内閣支持率が横ばいだったことを巡り、与党からは落胆の声が上がり、野党は勢いづいた。 「通常は『ご祝儀』を含めて改造で少しプラスになるものだが……。改造が評価されていない」。自民の閣僚経験者は毎日新聞の取材に対し、こう述べた。自民の別の閣僚経験者は女性閣僚数が増えたことへの評価が限定的だったことに着目し、「副大臣、政務官に女性が入りませんでしたよね。その辺もあったのかな」と振り返った。 自民中堅は茂木派会長の茂木敏充幹事長や麻生派会長の麻生太郎副総裁、安倍派幹部の松野博一官房長官ら「骨格」がそろって留任したことを…
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