はじめて自らの「死」の予感と正面から向かい合うことに。パニック、恐怖、覚悟。自分自身の弱さと強さを発見。そして、自らにとって何が大切なことなのかに気づく。胸に去来するわが人生・家族・仕事・運命。お金という現実の問題も。 日記に「神様助けて」と 「肺がんの告知を受けたあと、どうやって家に帰ったのか記憶がないのです。頭が真っ白になっていました。少し落ち着くと、『なんで私ががんになるんだ』という無念さがこみ上げてきました。その後2〜3日は、会社にはなんと説明しよう、仕事の引き継ぎはどうしよう・・・・・・と、そればかり考えていました」 現在「がん患者団体支援機構」の副理事長を務めている三浦秀昭氏(54歳)は、金融機関のサラリーマンだった47歳のとき、「肺腺がんのステージⅢB」と告げられた。もはや手術はできない。医師からの説明を受けて「延命治療」という言葉が浮かび、深い絶望の淵に突き落とされた。 2