「私、ユニオンって誰でも入れるって知らなかったんです。特別な業界のものだと思っていました。ファッション業界で働く人たちはそういう感覚だと思います」 プラダジャパンの社長および人事部長によるセクシュアルハラスメントとパワーハラスメントの実態をミラノ本社に訴えたことで懲戒解雇され、その撤回を求め、今年四月にプラダジャパン相手に訴訟を起こした同社元部長のボヴリース里奈さん(三六歳)は言う。そのボヴリースさんを代表とするファッション業界ユニオンが一〇月二九日に結成された。 ボヴリースさんはシャネルやプラダなどの海外店で一〇年以上のキャリアを積み、二〇〇九年四月にプラダジャパンの販売部門部長として入社。そこで、ダヴィデ・セジア社長と高橋裕幸人事部長による社員への強制販売や、容姿・年齢を理由にしたハラスメントに気付き、七月末くらいから意見を述べだした。八月には、彼女の休暇中に各店舗社員にバッグの販売を