政府とインターネット企業との関係について考えさせられるできごとが、最近いくつも起こっている。 たとえば、先だっての尖閣諸島衝突映像漏洩事件では、やはり「インターネット企業はメディア会社ではない」ということを感じさせられた。いや、厳密に言うと「報道メディア会社」ではないということだ。ユーチューブに流出した映像の出所を巡って検察がIPアドレスの提出を求め、それに応じざるを得なかったグーグル。このIPアドレスと、ネットカフェに備えられていた何と10台もの防犯カメラとの組み合わせで、漏洩者の身元割り出しはあと一歩のところまで近づいていた。 もしユーチューブが報道メディアならば、「情報源の秘匿と保護」のためにIPアドレスを断固として渡さなかっただろう。だが、グーグルが抵抗できる材料はせいぜい電気通信事業法の通信の秘密や個人情報保護で、犯罪を犯したとされる犯人逮捕の目的のためには、日本の司法権の定める