国民体育大会の観戦で千葉県を訪問された天皇、皇后両陛下が9月26、27の両日、菊紋付きの特別車両を連結した「お召し列車」で移動された。かつて全国各地を走ったお召し列車も、現在は運行頻度が激減。車両は2007年に新造されたばかりだが「次にいつ走るかわからない」(専門家)と“幻の列車”に。知られざるお召し列車の運用事情を探った。 濃い紫色で統一された上品な車両は、先頭に日の丸と菊紋を付けて26日には蘇我駅から茂原駅、茂原駅から勝浦駅の両区間、27日は館山駅から東京駅までの移動に使われた。 両日ともに線路脇や駅にカメラを構えた大勢の鉄道ファンが集まり、両陛下は手を振って応えられた。現地を訪れた鉄道ファンの男性は「お召し列車の運行日程は事前に官報へ掲載されるが、時間は警備の都合上、明かされない。じっと何時間も待ち続ける。人気の撮影地には、前日に到着して場所を取る人もいるほど」と語る。 27日は冷た