「おいしい」には、舌の感覚だけでなく、空間やサービスや一緒にいた人など、すべてが含まれると思うんです。そして、その結果、またいつか乗客は乗ってくれる。 撮影=川井 聡 文・構成=一志治夫 水戸岡鋭治 1947年、岡山県岡山市吉備津生まれ。65年岡山県立岡山工業高校工業デザイン科卒。72年ドーンデザイン研究所設立。建築、鉄道、街づくりなど幅広いジャンルのデザインに携わる。とりわけ、JR九州の車輌、駅舎を多くデザインし、高い評価を受ける。岡山の路面電車「MOMO」、和歌山の「たま電車」、富士急行の「富士登山電車」なども手がけ、水戸岡デザインの鉄道ファンは多い。国際鉄道デザインコンテスト「ブルネル賞」など受賞作品多数。近著に『電車のデザイン』(中公新書ラクレ)。 ---------------------------------- 僕がJR九州の列車デザインを手がけるようになったのは、20年