無法者こそ人気者。世の中にはそんな国がある。モンテネグロでは、高級宝石店を襲う地元出身の窃盗団「ピンク・パンサー」がヒーローだ。イラン国民は傲慢な大統領を熱烈支持。なぜなら「政策には賛成できないが、アメリカに立ち向かう姿は格好いい」からだ。北朝鮮はこうした挑発と反逆を国是としている。 悲しいかな、ロシアも同類らしい。政府が堂々と、犯罪者を国際的な司直の手から守っている。例えば、この10年で最も悪質な著作権侵害をインターネット上で行ってきた2つの海賊サイトはロシアにあった。最盛期にはアクセス数でiTunesをしのぐ勢いだったという。 さすがに今はWTO(世界貿易機関)からの警告もあって、両サイトとも閉鎖されている。だが誇り高き著作権侵害者たちは、音楽も映画も無料でダウンロードするのが当然との信仰を捨てず、ついに「海賊党」なる政治団体を立ち上げている。目的は、ロシアを誰の著作物も無料で使える「