6月22日昼過ぎ、ジョージ・オズボーン財務相(39)は英国民に緊縮財政時代の到来を告げた。 英財政学研究所によると、イギリスの政府債務残高は7700億ポンド(約103兆円)。毎年の利払いは700億ポンドに達し、さらに膨らみ続けている。緊縮予算の導入は「避けられない」と、オズボーンは言った。 その中身はすべての国民に痛みを与えるものだ。現在17・5%の付加価値税(食料品と子供の衣料品以外のあらゆる商品に掛かる売上税)を来年1月から20%に引き上げる。金融機関に対しては20億ポンド規模の銀行税を新設。年間5万ポンド以上の利益がある投資家に対する資産譲渡益課税も強化する。 これでもまだ序の口にすぎない。国営医療制度のナショナル・ヘルス・サービスを除き、各省庁の予算は今後5年間で25%削減される。政府の公的支出は国民所得の50%を占めているだけに、ここまで急激な予算削減はリスクが大きい。 オズボー