このたびオーストラリアの研究者が、装着するだけで問題処理能力を向上させ、創造的な思考を可能にするヘッドギア「シンキング・キャップ(考える帽子)」を発明した。一昔前であれば、いかがわしいものと思われてしまいそうなのだが、脳科学の分野は急速に進歩しており、研究者の努力によりこの画期的な機器が誕生したのである。 シドニー大学心理研究センターのアラン・スナイダー教授は、この10年ヘッドギアの開発に従事している。長年の研究の末に誕生したのが、この機器なのだ。構造はとてもシンプルで、脳に電流を流す2つのパーツをゴム製ベルトで頭に固定している。電気ショックを与えることで、脳の機能を高めようというものだ。 彼は脳に関する様々な逸話をヒントに、開発を手がけた。たとえば、雷に打たれた人が突然ブラームスのピアノコンチェルトが弾けるようになったり、頭蓋骨を損傷した患者が芸術的才能を開花させたりといったケースだ。こ