薄闇の中で 先進国を待つのは痛みを伴う財政再建プロセスだ(年金制度改革に抗議するパリ市民) Jean Marmeisse-Gamma/Getty Images 忙しい世界の指導者たちは演劇を観賞する暇などないかもしれない。とはいっても、ニューヨークのブロードウェイで上演されている、名優アル・パチーノ主演のシェークスピア劇『ベニスの商人』を見逃すのはあまりに残念だ。 注目すべき借金絡みのドラマはこれだけではない。「世界は舞台だ」と、シェークスピアは戯曲『お気に召すまま』に書いた。2011年、その言葉どおり世界経済は総額82兆ドルに上る各国の借金をめぐる衝突と挑戦、勝利と危機のドラマの舞台になりそうだ。 これまで国力を決める最大の要素は石油など極めて重要な資源の支配権や軍事力、ハイパー資本主義を受け入れる能力だった。だが11年以降は、債務を管理する能力こそが経済力を測る最大の指標になるだろう。