日本のゲーム史において、世代が変わるたびに何度も行われてきた家庭用ゲーム機のシェア争い。中でもソニーの「プレイステーション」とセガの「セガサターン」による争いは「次世代ゲーム機戦争」と呼ばれ、最も白熱した戦いが繰り広げられた。この連載では、長年独自ハードを開発・販売し、業界をけん引してきたセガにあえて焦点を当て、当時の状況をふり返ってみたい。執筆をお願いしたのは、この2ハードが発売された1994年にセガへ入社した、現役セガ社員の奥成洋輔さんだ。現場ではどんな思いで戦争を戦ってきたのか!? 全5回に渡ってお届けする。 僕が大学を卒業しセガに入社したのは、今から30年近く前となる1994年。あの「次世代ゲーム機戦争」の開戦した年だ。この年の年末は、ソニーが初めて家庭用TVゲーム機に参戦した初代「プレイステーション」が発売され、そしてその10日ほど前に、セガは6番目の家庭用TVゲーム機「セガサタ