中国の湖北省武漢市で新型コロナウイルスによる感染者が発生してから12月8日で1年が過ぎたが、人への感染ルートを解明する世界保健機関(WHO)の調査は今も進んでいない。世界的流行の責任追及を避けたい中国政府が、外部調査の受け入れに消極的だからである。 WHOが2月に中国へ派遣した調査団は武漢入りしたものの、発生源とされている海鮮市場は調査できなかった。その後各国の専門家による大規模な現地調査を実施するため、7月に先遣隊を中国入りさせたが、現在に至るまで実現していない。中国当局は最近になってWHOの現地調査を容認したが、「調査は中国の専門家が主導し、WHOは補完的な役割を果たす」という条件を課したといわれている。 中国の無責任な態度はこれだけではない。新型コロナウイルスの感染者が世界的に急増しているなかで、中国は「新型コロナウイルスの発生源は中国でない」との宣伝活動をさかんに実施するようになっ