【ニューヨーク=上塚真由】米中西部オハイオ州で29日に行われた大統領選の第1回候補者討論会は両候補が激しい応酬を交わし、たびたび論戦が中断する展開となり、米メディアは「史上最悪の討論会」(CNNテレビ)などと酷評した。 CNNテレビのキャスター、ジェイク・タッパー氏は「もはや討論会ではない。恥をさらしただけで、今晩は米国民の敗北だ」と吐き捨てた。米国のあり方をめぐり論戦を交わす討論会の伝統とかけ離れた内容に、他のメディアも次々と厳しい評価を下した。 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「90分間の混沌(こんとん)としたやり取りで、現代の米政治では前例のないレベルの辛辣(しんらつ)な侮辱を互いが示した」と指摘。民主党候補のバイデン前副大統領の発言にたびたび割り込んで、一方的に主張を展開した共和党候補のトランプ大統領には「激戦州の有権者に対し、自身の指導力について安心させることができなかった