超過死亡の概念は、例年に比べてどのくらい死亡が多いかということであるが、「例年」の定義は不明確で、実際に発表されている数値も一致していない2)3)。今年8月の死亡は、ここ数年の月別の死亡数から大きく外れており、2020年8月の死亡数との差が、1万7845人である。この増加分を超過死亡とし、それをどう考えるかということを今回のテーマとする。 まず、今年8月のコロナ死亡報告は7329人で、非常に多かった4)。昨年8月のコロナ死亡871人との差(コロナ死亡増加分)6458人は、超過死亡の36.1%を占める。今年最も多い2月の超過死亡1万9490のうちのコロナ死亡増加分の割合が13.9%だったのに比べ、コロナ死亡で説明できる部分が大きいことがわかる。 実際の超過死亡の値は人口の増減や高齢化などの影響を受けることは、ここでも繰り返し述べた通りである。2021年1月人口と2021年死亡者数から計算した