言語障害の一つで、言葉が思うように出てこない「失語症」。そんな失語症の父親と雑談を楽しみたいとの思いから、コミュニケーションツールの開発を続ける女子高生がいる。操山高校(岡山市)2年藤原咲歩さん(16)だ。咲歩さんは「父親をはじめ、同じような障害のある人たちの雑談のきっかけをつくり、笑顔にしたい」と研究に没頭している。4月25日は「失語症の日」―。 クマのぬいぐるみやバランスボールが置かれた女子高生らしい部屋の中で、3Dプリンターがひときわ存在感を放つ。本棚には失語症や脳の仕組みに関連する本が並ぶ。咲歩さんはまるで研究室のような自室で長い時は5、6時間、机に向かっている。 開発するのは「雑談創造機器チット」。3Dプリンターで作った手になじむマウス型で、指先には四つのスイッチが付いている。押すと「どうだった」「いつ」「なんで」「どこで」といった音声が内蔵のスピーカーから流れ、会話をサポートし