【北京=川越一】北京パラリンピック陸上男子八百メートル(車いすT52)で16日、福井市職員の高田稔浩選手(42)が、同四百メートルに続き、今大会2個目の銀メダルを獲得した。同じ病気と戦う次女へのメッセージを託した涙の銀メダル。真面目一徹の父親は、支えとなった家族を思い、言葉を詰まらせた。 スタートから飛び出した。レーンの枠がなくなる合流地点で、いつものように安全を確認した。後続とは距離がある。前は空いている。「いけると思って、どんどんいった」 先行する伊藤智也選手(三重)をうまく利用した。「集団になってスプリント勝負になると自分の力ではやばい。だから伊藤さんについていった。風よけになってくれた。一人でいっていたら、あのままいけたか分からない。伊藤さんが引っ張ってくれた」。八百メートルに続き、日本勢でワンツー・フィニッシュを決めると、握手を交わし、勝者をたたえた。 筋萎縮(いしゅく)症の進行