連載108回でも少し触れた話だが、2011年第3四半期中にはAMDから、「Bulldozer」アーキテクチャーを搭載した「Zambezi」こと、「AMD FX」シリーズが投入される予定だ。今回はこのBulldozerアーキテクチャーの内容について解説しよう。 2コアでFPUを共有する Bulldozerアーキテクチャー Bulldozerの特徴は、2つのCPUコアをモジュールという単位でまとめ、FPUはモジュール単位で1つを共用する構造になっていることだ。ちょっとわかりにくいので、一般的なCPUコアの構造と比較してみた。図1は共有2次キャッシュを持つ一般的なデュアルコアCPU(強いて言えばBobcatに近い構成)だ。これがBulldozerではどう変化したかを示したのが図2である。要点は以下のようになる。 フロントエンドの1次命令キャッシュや命令TLB、フェッチ/デコードは2つのコアで共用