体育の日(今年は11日)といえば運動会。その運動会で注目されている本がある。『運動会で1番になる方法』がそれだ。ここでは著者の深代千之(ふかしろ せんし)氏に、スポーツを変えた“バイオメカニクス”とはどのようなものかお話をうかがった。併せて“バイオメカニクス”分野のソフト『アルモ』の開発を行なっている(株)ジースポートの橘 完太氏にもお話をうかがった。(聞き手:遠藤諭) 日本人がアフリカ系に次いで速く走るようになった理由 [深代] 1つは、テクノロジーとスポーツの距離、あるいは西洋と東洋の考え方の距離が、我々のなかで近づいてきたということがあります。いままでの自然科学の分野というのは西洋からの輸入でした。西洋の自然科学は、基本的に、数値に置き換えられる現象だけをとりだしてきて、ある意味都合よく論理を組み立てます。ところが、自然界には数字で表現できないこともたくさんあって、そこを補完する東洋