7月5日の国民投票で、緊縮財政の停止を求める強い投票結果を得たギリシャ政府は、ユーロ圏から離脱するだろうか。まだ大きな不確実性が残っているが、本稿では今後の進路を占ってみよう。 1.当面、ギリシャの銀行窓口再開は不可能 ギリシャ経済は大混乱に陥っているが、その最大の原因は銀行が少額の現金引き出し以外の取引を全面停止しているためである。報道では、銀行窓口の長い列に注目されているが、さらに深刻なのは、企業間の振替決済が出来なくなっているうえ、現金決済以外の貿易が途絶状態になっていることである。これは、ギリシャ国内の銀行が対外決済やユーロ現金の引き出しに用いる、欧州中央銀行(European Central Bank: ECB)のユーロ建て当座預金の残高が決定的に不足しているためである。企業間決済の停止と貿易の途絶は、ギリシャ経済を急激に悪化させると見込まれる。 ギリシャ政府は国民投票の後、銀行
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