昨日につづき、童話「黄金色のまゆ玉」を 紹介します。 すると・・・。 「あなたは、今度まゆ玉が授かったら、私 にそのまゆ玉をかしてくれると約束してく れたのに・・・。 なぜ?しばらくって、どの位なの?」 「友だちのこどもが、元気になるまでだよ」 「もし、そのこどもの病気がよくならなか ったら、どうなるの?」 「もちろん、病気がなおるまで、まゆ玉をか してあげるさ」 「そんな・・・。じゃあ、私との約束は、ど うなるの。私、長い間、黄金色のまゆ玉を楽 しみにして待っていたのよ」 心のやさしい奥さんでしたが、さんざん楽 しみにして待っていたまゆ玉です。 奥さんは虫のいどころが悪かったのか、すな おになれませんでした。 「私、このやしきをでていくわ」 「これくらいのことで、でていかなくても良 いではないか」 「まゆ玉のことはともかく、私は寒いのが大 嫌い。今までずっとがまんしていたけれど、 ここは
昨日につづき、童話「黄金色のまゆ玉」を 紹介します。 黄金色のまゆ玉3 「どうもしないよ。今に帰ってくるじゃろ」 奥さんのことをたずねると、明神さまはなぜ か困ったような顔をしました。 「明神さまと奥さま、けんかしたのではない かしら。そして、奥さんが家をでていってし まったのかもしれないよ」 「まさか・・・。あんなに仲のいい夫婦です もの、けんかなんかしないでしょ」 「夫婦ですもの、けんかくらいするわよ。 だから、明神さまは奥さんのことが心配で、 真夜中にそっと様子をみにいくのではないか しら」 「そうかもしれないね」 そういって、人々は奥さんのことを心配しま した。 それにしても、明神さまは、真夜中どこへ行 くのでしょうか。 一ヶ月前、明神さまは、ささいなことで奥さ んとけんかをしてしまいました。 仲のいい夫婦にはめずらしいことでした。 そして、奥さんがやしきをでていってしまっ たので
昨日につづき、童話「黄金色のまゆ玉」 を紹介します。 黄金色のまゆ玉2 「おお、寒いっ」 明神さまは、空をみあげみぶるいしま した。そして、なにやら小声でつぶやく と、足早に歩き始めました。 その歩きかたの早いことといったら。 青年たちは、こんなに早く歩く人をみた ことがありません。 青年たちは、たちまち明神さまの姿を見 失ってしまいました。 「明神さまって、足が早いんだね。まる で、氷の上をすべるように歩いていったよ」 「それにしても、明神さまはどこへ行っ たのだろう」 「好きな人のところへ行ったのかもしれ ないよ」 「ばかをいえ。あんな美しい奥さんがいる のに、明神さまがそんなことをするはずが ないじゃないか」 「じょうだんだよ。じょうだん。なにしろ あの二人は、うらやましいほど仲がいいか らね」 「じゃあ、明神さまはどこへ行ったのだろう」 「明日の夜は、なんとしても明神さまの行 き先
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