船から下ろされ、集められたがれき。木の根や家財に加え、車のシートも引き揚げられた=26日、岩手県宮古市の宮古漁港、古賀写す 東日本大震災から1カ月半、ようやく再開した漁を海底のがれきが阻んでいる。20キロ以上沖合での底引き網漁でも、家財などが引き揚げられ、網を傷つける。沈んでいるがれきの規模は分からず、撤去のめどは立っていない。 岩手県釜石市沖でスケトウダラ漁を終えた75トンの沖合底引き網漁船(トロール船)が26日午後、同県の宮古漁港の岸壁に接岸した。魚を市場に下ろした後、10人ほどの漁師が網にかかったがれきを船から下ろし、港の一角に積み上げた。布団や一斗缶、車のシートもある。 この日、出漁した13隻のうち数隻の網にがれきがかかった。船長の男性(63)は破れた網の修復をしながら、「私が生きている間は海はきれいにならないんじゃないかな」と諦め顔だ。 宮古漁協によると、岸から約24キロ