裁判員が判決後に行う記者会見で、同じような発言が、ある地裁で「守秘義務違反」と指摘され、別の地裁では指摘されない――。そんな実情が、法律家や学者らでつくる自由人権協会の調査でわかった。協会は、守秘義務の範囲を拡大解釈しているケースもあるとして、裁判所にばらつきの改善を求めている。 裁判員は評議で出た意見などは明かせないが、内心の思いは語ってもよい。意図せずに守秘義務違反にあたる発言をするのを防ぐため、会見には地裁職員が立ち会う。 立ち会った職員の記録について、同協会が最高裁などに情報公開請求。開示された約670件分の資料を分析すると、少なくとも45件で「チェックの行き過ぎ」などの問題があった。 例えば「判決は妥当だと思う」という裁判員の発言について、ある地裁では「感想」であり、特に問題はないと判断したが、別の地裁では守秘義務違反の疑いを指摘していた。また、複数の地裁が「判決に納得して