アフリカの野生環境をフィールドワークの場としていて、危険な目にあったりはしないのかという質問を良く受ける。確かに、アフリカのブッシュには人間に危害を加え得る野生生物達が数多く生息しており、トラブルも皆無ではない。そこで今回はフィールドで出くわす危険動物について書いてみよう。 さて、アフリカのサバンナで最も危険な動物は何かといえば、それはライオンでもヒョウでもハイエナでもなく、カバである。意外に思われるかもしれないが、あの一見おとなしそうな草食動物は、縄張り意識が非常に強くとても凶暴だ。アフリカの大型哺乳類の中で、毎年最も多くの人命を奪っているのはカバなのだ。 いかにしてカバが人を襲うかというと、巨大な牙の生えた大きな口でかみつくというからたまらない。しかも、地上では時速30キロを優に越えるスピードで走る能力を持っているので、人間の足で逃げ切るのはほぼ不可能。かく言う私も、ナミビアで一度カバ