殿内(とぅんち)は、琉球士族の内、総地頭職にある親方家を指す尊称。広義には脇地頭家にも用いる。王族である御殿の下に位置し、高い格式を誇る家柄である。御殿と一括して御殿殿内(うどぅんとぅんち)と呼ばれ、大名方とも呼ばれた。 殿内は、もともとは御殿と同じように親方家の邸宅を指す言葉である。ここから転じて、親方家のことを「……殿内」と呼ぶようになった。この場合、濁音化してドゥンチと発音する。例えば、小禄殿内(おろくどぅんち)の如くである。また、首里以外ではトヌチとも呼ばれた。 殿内は脇地頭職にある親方家にも用いられたが、この場合大名方とは呼ばれない。また、同じ脇地頭職でも親方の下の親雲上(ペークミー)家や領地は有しないが格式のある士家に対しても、殿内と敬称する場合があった。他に首里三平等の神殿である首里殿内や地方のノロ殿内のように、格式のある宗教施設にも殿内の呼称が用いられた。ほかに八重山頭(か