仏語で再読。 ウェルベックはあれだな、文体としては村上春樹と結構近いんだな。両方共をフランス語で読んだら、セックスの描写とか肉体の動きを重視するところとか似ていることに気がつく。もちろん、ウェルベックの主人公ってのは春樹の主人公とはまったく違う。 滅びゆく「西洋社会」の、子供をもう作らないであろう、家系図の最後の一人になるであろう、現代的な西洋デカダンスを代表するようなダメ人間だ(2ちゃんでいう「おまえら」に多少近いが、無闇矢鱈と不特定多数とのセックスを始めるあたりは春樹の主人公に近いか)。 この『プラットフォーム』は2002年の小説で、初期から中期にかけての作品。ゴンクール賞にもノミネートされていたらしいが、だれがどう考えても理解できるように受賞を逃す、だってこんな作品に「ゴンクール賞!」なんて帯をつけて高校生たちに売るのは社会的にまずいだろ。 ストーリーは案外平凡で、パリの生活につかれ