ラーメン店激戦区の一つの和歌山にあり、地盤沈下の影響で店舗そのものが傾いたことが評判になったラーメン店「まる豊」(和歌山市有本)が27日の営業を最後に別の場所に移転する。創業35年を迎えたが、店舗の老朽化に加え、立ち退きを求められたことが理由。新店舗は傾くことなく、約2キロ離れた場所にできるが、常連客らは「この場所がなくなるのは寂しい」と別れを惜しんでいる。 「まる豊」は、店主の豊田二郎さん(79)が昭和57年に開店した。紀の川沿いの物置小屋を改修した店舗は、調理場を含めて約13平方メートルで、カウンター9席だけ。豚骨しょうゆをベースにストレート麺を使った「中華そば」が人気で、妻の明子さん(81)と夫婦で切り盛りしてきた。 ただ、川沿いにあるため地盤がゆるく、開業5年を経過したころから店舗が傾き始めた。「ラーメン鉢を置くとスープがこぼれたり、お客さんがふらついたりして、ようやく気付いた」と