僕も病院でがんの末期患者さんたちを回診するときは、患者さんに1回は笑顔を出してもらえるよう心がけています。 「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」――日常的な言葉が多いアランの文章のなかで、この言葉はやや哲学的な匂いがします。 この言葉に続いて、アランは次のように記しています。 「気分にまかせて生きている人はみんな、悲しみにとらわれる。否、それだけではすまない。やがていらだち、怒り出す」「ほんとうを言えば、上機嫌など存在しないのだ。気分というのは、正確に言えば、いつも悪いものなのだ。だから、幸福とはすべて、意志と自己克服とによるものである」 感情や気分だけで生きていると、悲しみや嫌なことに遭遇したとき、不幸だという思いや怒りの感情に溺れてしまう。だから、感情に流されず、「いまは辛いけど明日は明るくなる」と、意志の力で楽観主義に立つ。幸福を得るには、それが大事だと