第1章 高等教育情勢の特徴 大学は「運営」の時代から「経営」の時代に入ったといわれている。大学経営の時代の管理運営には、幅広い見識や専門知識を持ち、大学を取り巻く目まぐるしい環境の変化を十分に理解することが不可欠だ。その上で、自らの大学の特長や個性を生かして、大学の発展に何が求められているかを考え、政策化できる「大学職員」の重要性が増している。 まず、その前提となる今日の大学をめぐる情勢を理解しておく必要がある。その情勢を一言で言うなら「競争と淘汰」だろう。少子化の進展に伴う大学間競争の激化、規制緩和策がもたらす地方私立大学への影響、基盤的経費への助成縮小と競争的資金の拡大、国立大学の法人化など大学にとって戦後最大の転換期を迎えている。とりわけ、地方の中小規模私立大学にとっては深刻な情勢になりつつある。 〈縮小するマーケットと定員割れ大学の増加〉 18歳人口の減少に伴い、定員を確保できない