東日本大震災からの復興のために増税をしなければならないのに、国家公務員宿舎を建てるのはけしからんと、朝霞の公務員宿舎の建設が5年間凍結された。廃止なら、とりあえず賛成だが、凍結はまったくの愚策である(なお、復興予算に無駄が多く、その無駄を省けば増税など要らない。このことについては月刊『WEDGE』本年11月号の拙稿をご覧いただきたい)。 土地を放置することが生み出すコスト 凍結するとは、その土地を何に使うかも分からないままに5年間ほうっておくということである。廃止して、その土地を売ってマンションを作れば、そこに多くの人々が住むことができる。その5年間、その土地を使わないというコストがかかる。その土地を自然のままにしておくというのはひとつの判断である。それならそれで良いが、5年間凍結というのは、5年後にはまた官舎を建てるということであろう。凍結という案を出してくるというのは、官僚には本当の意