その写真を見た者は全員、目を疑った。火炎バーナーのついたフレアスタックの高い煙突の先端が熱で溶融し、まるでロウソクのように日を追って短くなっていたのだ。中東でプラント建設に従事して帰国したエンジニアは、製造元である米国の某メーカーを名指しして、『顧客の指定でしかたなく発注したけれども、もう二度と使うべきではない』と報告会で叫んだ。 フレアスタックとは、プラントで随時発生する、可燃性だが品質が低くて利用できないガスを燃焼し無害化して大気に放出する、バーナー付きの煙突である。プラントで先端に炎が燃えている煙突を見かけたことがあると思う。その煙突が、自分の燃焼熱でどんどん溶けて短くなったら、とても使えたものではない。明らかに不具合である。だが、彼の話では、メーカーは決して自分の非を認めず、まとまに誠意を持って対応しないままだった。契約納期に追われているので、結局仕方なく、日本のメーカーに再製作を
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