最初に質問してみよう。「日本茶といえば、どこを連想しますか?」。おそらく大部分の人が「静岡」と答えるだろう。宇治に狭山と日本にブランド茶は数あれど、「お茶といえば静岡」という刷り込みは圧倒的だ。なにしろ日本茶の半数近くは静岡産である。毎年、茶摘みの時期になるとテレビニュースなどでもその様子が放送されたりして、イメージもいい。 しかしわたしは、それが本当にブランド力として確立されているかと疑問を呈してみたい。静岡のお茶は世界に通用するようなブランドになっているのか。お茶のような嗜好品の世界ではグローバルブランドが結局価格を決めることになる。高齢化などでコストが上がる一方の日本茶の世界も今のままでは生き残りは厳しい。では、どうすれば世界的なブランドに成長させることができるのか。今回はそれをテーマに考えてみよう。 紅茶の世界ではセイロン、アッサム、ダージリンなど産地名がまず有名になる。一方、