文 佐々木ののかさん 東京が好きだ。 欲望とエネルギーで滾り、現在を更新し続けていく街。 一方、わたしは北海道の田舎町出身。 地元のことは好きだけど、決して住みたい場所ではない。 同窓会で交わされる「いつ結婚するの話」にうんざりし、 自分の職業含めたステータスを説明するだけで骨が折れる。 わたしにとっての“地方”には“そういうもの”が含まれている。 しかし、気の置けないわたしの友人の多くは“地方”に移住してしまった。 本当は今すぐにだって帰ってきてほしい。 どうして地方に行っちゃったの。 ずっと言えずにいた気持ちを、せっかくなので伝えてみた。 「福祉の“師”を追って福岡へ」Tちゃんのケース 最初に話を聞いたのは、福岡でホームレス支援の仕事に携わるTちゃん(26歳)。もともと関東に実家があるTちゃんが福岡に移住をしたのは、2016年4月のことだった。 ねぇTちゃん、どうして福岡に行っちゃった