「好きな文字列を公開鍵として使いたい」「情報を暗号化したまま復号できる人を変更したい」――第5回では、暗号に対して求められるこのような利便性を達成するための技術である「IDベース暗号」「代理人再暗号化」と、その基礎となる「ペアリング」という関数について解説します。 連載目次 IDベース暗号とは? まずは「IDベース暗号」の紹介から始めます。IDベース暗号とは、公開鍵に自分の好きな文字列(ID、Identifier)を選べる暗号のことです。従来の公開鍵暗号では、公開鍵はランダムに決められていました。例えば第3回で紹介した「楕円ElGamal暗号」では、乱数aと楕円曲線上の点Pに対して公開鍵はKA=aPです。KAを自分の好きな文字列にすることはできません。一方、IDベース暗号ではそれが可能です。より正確にいうと、以下のような仕組みをとります。 セットアップと鍵生成 鍵生成局Sが各ユーザーXのI
はじめに SSL(Secure Socket Layer)は、Webの通信を暗号化してセキュリティを高める技術で、ブラウザに鍵マークが表示されて安全に通信できる方法として一般に広く認知されています。 SSLはオンラインバンキングなど高いセキュリティが要求されるサービスに用いられるのはもちろん、SSL環境でしか利用できない技術が登場している状況など、その重要性は近年ますます高まっています。本記事ではSSLを取り巻く現在状況や、SSLを容易に利用できる環境について紹介します。SSL環境でしか使えないWeb技術としてService Workerを紹介し、実装例を説明します。 対象読者 SSLについて復習したい方 SSLの重要性は知っているが、めんどくさそうで手が出なかった方 Service Workerの実装例を探している方 本記事で使用する環境 本記事では使用している環境は以下の通りです。 G
[レベル: 中級] 長い期間、GoogleマイビジネスにログインしないとGoogle+ページが強制的に削除されるかもしれません。 ビジネス情報の正確さを保証するために、最低でも半年に1回はGoogleマイビジネスにログインすることをGoogleは推奨しています。 定期的なログインを促すGoogleからの通達 Googleが所有するGoogle+公式アカウントの1つ、Google Small Businessが次のような投稿をしました。 Staying on top of your online presence can mean the difference between business as usual and new customers at your door. In fact, a recent study showed that consumers are nearly tw
長野県上田市では2015年6月12日に、庁内LANがサイバー攻撃を受けていたことが判明した(写真1)。同月下旬から、調査が本格化した([1]を参照)。 そのなかで、「医療費通知」を装う標的型攻撃メールを受信・開封したために、「Emdivi(エムディビ)」と呼ばれるタイプの遠隔操作ウイルスに感染していたことが明らかになった(関連記事:医療費通知を偽装した電子メールにご用心、遠隔操作ウイルス感染も)。だが、2月に受信したとみられる標的型攻撃メールは、メールサーバーには残っていなかった。 上田市ではこうしたサイバー攻撃を前提に、メールを長期間保存することはしていなかった。今回のケースでは、たまたまPCにメールが残っていたため、標的型攻撃メールを検出できた。 さらに調査を進めると、攻撃者はこの1台のPCを糸口に、LAN内部に様々な形で侵入していたことが分かってきた。ウイルスに感染させたり、情報窃取
JavaScriptはとても強力な言語です。強力がゆえ、実はプロトタイプをデザインしたり、オブジェクトのインスタンスを生成したりするのに何種類もやり方があります。それぞれの方法には長所も短所もあります。そこでJavaScript初心者の皆さんのために私がそのあたりを整理して説明したいと思います。今回の投稿は、以前私が書いた 「JavaScriptを分類するな」 の続編です。前回の投稿でたくさんのコメントをいただき、コードの例を出してほしいをいう反応をいただいたので、今回はそれらにお応えします。 JavaScriptはプロトタイプを使って継承 つまり、JavaScriptでは、オブジェクトは別のオブジェクトを継承することができます。 { } 波括弧を使って生成されるJavaScriptの基本的なオブジェクトは、唯一のプロトタイプとして Object.prototype をプロトタイプに持ちま
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