2014-11-14 神奈川県から都市型郊外文化が溶けてゆく 神奈川県が失いつつある「当たり前」 1970年代以降、ベッドタウンとして発展を遂げた神奈川県には独自の「都市型郊外文化」があった。 これは本来画期的なことだったのではないか。 たとえば住まいの場合、東京の下町の長屋暮らしには庭がない。地方の運命共同体は家も庭も広いものの地縁社会が強固でプライバシーがない。でも神奈川県の郊外住宅では、田舎ほど大きくないにせよ庭付き一戸建てが基本で、相互監視社会もない。マンションは最新鋭で、下町の長屋よりも壁が分厚く、居住者専用の公園が敷地内にあったりして生活のクオリティも高い。 周囲は同じような閑静な住宅街がひたすら広がっており、田舎のように寂しくなく、都会のようにやかましいわけではない。 買い物環境も同様だ。 自転車や路線バスで数十分ばかしで鉄道の最寄り駅まで向かえば、ヨーカドーや長崎屋があり、