「おはよう、バッド・ガール。昨夜はちゃんとタクシーで帰宅したようだね。今後もそうしてほしい」 ホテル滞在3日目の朝、ドアマン氏に挨拶をしたら、笑顔でそんな言葉が飛んできました。 このホテルのスタッフミーティング、情報の共有が完璧すぎるのでは? おそらく、私が夜遊びに出掛けた時刻も帰った時刻も、毎度、スタッフみんなにきっちり把握されている模様です。 しかも、昨夜のお出掛け先は、我等がバトラー、ティムにあらかじめ報告してありました。 「あなたに何かあっても、行き先さえわかっていれば、我々に打てる手があるでしょうから。煩わしくても、教えていただきたいのです」 そう言われたら、「予定は未定です」なんて言えるはずがないじゃないですか。 携帯電話は存在していても、海外で使うなんてことは夢のまた夢だった時代、「前もって相手の居場所を知っておく」ことは、今よりずっと重要事項だったのです。 何だかすっかり品