あらすじ 片山と良子たちは客の柴田たちを送ると料亭に戻った。 そこで片山が意外な柴田の状況を聞かされる。第☆章の最終回。 客の柴田の意外な容態 「今日、四階に来たお客さん」 ふと良子が言った。 「柴田さん・・・ですか」 片山がボードに記入されていた名前を思い出した。 「そう柴田さん。ご家族でいらっしゃった」 「奥さん、綺麗ですね」 片山が冗談ぽく言った。 「片山さん好み、ゆかりさんみたいな人?」 良子も冗談を返す。 「でも柴田さんね。ガンなの」 良子が話しを戻した。 「だんなさんの方ですか」 「そう、紀夫さんね」 片山は柴田を料亭で初めて見た時、少し痩せ具合が気になっていた。初めて会う人でも何か病的な痩せ方をしている人は、その瞬間に病気だと分かる時がある。 「そうですか、少し痩せているなとは思っていました」 「たぶん、私の旦那と同じだと思う・・・・」 ふと良子が漏らした。片山は良子が結婚し