今年2018年は、ボサノバ誕生60周年であるらしい。 ブラジルの3人の奇才、ジョアン・ジルベルト<ギタリスト・歌手>、アントニオ・カルロス・ジョビン<作曲家・ピアニスト>、ヴィニシウス・ジ・モライス<詩人・作家>によるアルバム「想いあふれて(Chega De Saudade)」(1958年)をその起源としているようだ。 「ボサノバ」という言葉の由来は、新しい傾向、新しい感覚という意味のポルトガル語であるという。サンバとジャズの融合によってもたらされた、軽やかで都会的なサウンドにふさわしい、実にセンスのあるネーミングだと今更ながら思ってしまう。 今回とり上げるのは、このボサノバを音楽ルーツのひとつとする AOR 界のレジェンド、マイケル・フランクスだ。代表曲である1977年の「アントニオの歌(Antonio's Song - The Rainbow)」は、先述の作曲家、アントニオ・カルロス・