金沢戦でのフォルラン。この日はフル出場したものの無得点に終わり、チームも今季初の敗戦に終わった 【宇都宮徹壱】 試合前のアップを終えたディエゴ・フォルランが、スタンドの観客に笑顔で手を振っている。そしてその後ろから大股で歩いてくるのはカカウだ。元ウルグアイ代表と元ドイツ代表。私はかつて、両者がワールドカップ(W杯)のピッチで相対する光景を目撃している。南アフリカはポート・エリザベスで行われた3位決定戦。カカウは後半28分までプレーしてベンチに下がったが、フォルランは後半6分に鮮やかなジャンピングボレーを披露し、大会5ゴール目をゲット。試合はドイツの勝利に終わったが、フォルランはこの大会の得点王とMVPに輝いている。 雨の中で乱反射する照明灯の光、そしてブブゼラの音。5年前のポート・エリザベスの記憶から現実に引き戻される。ここは大阪のキンチョウスタジアム。そして今日は2015年4月11日だ。