先日、宮崎の山の中でイノシシに遭遇した。林道のど真ん中を巨体がのんびり歩いていたのだ。こちらは車だから焦らずにすんだが、もし徒歩で無防備な姿だったら、ちょっと怖かっただろう。 日を空けず岐阜県郡上市に行くと、夜になると人家の目と鼻の先にシカが群をなして出没していた。あまりに数が多いので、こちらが目撃したのではなくシカに見られている気持ちになったほどだ。 ニホンザルも各地の山でよく見かける。カモシカは、もはや珍しくなくなった。我が家の裏山も、イノシシが結構いる。住宅街からほんの少し山に入ると、足跡だらけだ。タヌキやイタチは庭先まで出てくる。 どうやら日本の山は、野生動物の楽園になってしまったらしい。 そこで問題となるのがクマである。さすがにクマは増えていない、いや減っているだろうと思う人は多い。しかし21世紀を迎えたころから、人里にツキノワグマが出没するケースが増えている。姿を見せるだけでな