急いで売り込めば 客は逃げてしまう 「説明」とは、相手がわからないことをわからせるところに目的を置くコミュニケーションである。 説得は、相手が求める説明に応えてから行なうのが順序である。説明を省いて、説得を急ぐ人は、相手からうるさがられ、説得不成功の結果を招く恐れがある。 例えば――。 買わせようとばかり、説明の段階に売り込みをかけ、説得を持ち込む人がいる。これは逆効果で、当初は興味を持って近づいてきた相手も、離れてしまう。 観光地のお土産売場でのこと。事務所の人たちにお菓子でも買って帰ろうかと、菓子類が置いてある売場に近づいた。すると、中年女性が、 「ありがとうございます」 「?」 「お土産にはこれが一番おトクです」 と1つを取り上げ、 「よく売れています。よろしいですね。これで」 なぜトクなのか、どんな菓子なのか、説明もないまま強引にすすめるやり方に、 「やめておこう」 急に気が