経済状況は相変わらず芳しくないが、証券取引所での新規株式公開(IPO)も芳しくない状況が続いている。NPO法人Japan Venture Research(JVR)の調査によると、2009年にIPOを果たした企業は19社(2008年は49社)だったという。そのうち証券取引所の新興市場に公開し、ベンチャーキャピタルから投資を受けていた企業は8社と、「激減した」と言われた2008年の36社(2007年は76社)をさらに下回った。 上場社数は減っているものの、JVRが調査の対象としている企業(新興市場にIPOし、かつベンチャーキャピタルがIPO前に投資をしていることが条件)の状況を2008年と比べると、いくつか上向きになっていることが明らかとなった。たとえば、IPO直後の時価総額だ。2008年ではIPO直前に比べたIPO直後の時価総額は1.01倍と株式公開によってほとんど企業価値が変わらなかった