昨年秋に発表された「RYOMA」というコードネームからは、既存の枠組みにとらわれず、新たな需要を創出しようという意欲が感じられる(製品発表会のニュース)。試作機から想像可能な基本構成は、HDDを組み込んだBDレコーダーを母体にラジオとデジタルアンプを内蔵し、ネットワーク機能を組み込んだ多機能メディアプレーヤーという姿だが、RYOMAのコンセプトはたんなる複合モデルとは一線を画している。 開発の指揮を執ったJVC・ケンウッド・ホールディングス(株)執行役員常務 新事業開発センター長の前田悟氏は、「いまの日本企業にはプロダクトプランニングの力が欠けています。テレビやアンプなど、既存の商品カテゴリーにとらわれて新しい需要の創成ができていない。いまの『AV危機』を打ち破るためには『知恵』が必要なのです」と、RYOMA開発の背景にAV機器市場の現状への強い危機感があったことを明かす。 前田氏は、ソニ