年間約50万~60万人が参拝する大津市の天台宗総本山・比叡山延暦寺で、拝観料を払わずに本堂・根本中堂(国宝)などに参拝するハイカーの対応に、寺が頭を悩ませている。 境内に設定された東海自然歩道を歩く場合に限り、無料で境内に入れるルールがあるためで、入るなり同歩道を外れてしまうという。スーツ姿のハイカーもいるが、寺は「仏に手を合わせる人を止められない」という。 境内は、根本中堂のある東塔(とうどう)、西塔(さいとう)、横川(よかわ)の3地区があり、参道は南北約6キロに及ぶ。 参拝客は各地区の拝観受付で、3地区共通のチケット(大人550円)を購入している。寺は1956年に焼失した大講堂再建のために直後から拝観料の徴収を始め、完成後も堂塔や参道、トイレの整備や管理、ゴミ処理などに充てている。 同寺の東海自然歩道は74年、東塔、西塔両地区にルートが設定され、寺は、「東海自然歩道を通る」との申告があ