[Part1]死活問題の油田開発、 世界遺産登録を自ら抹消 中東・オマーン 頭から背中の方に反り返った美しい角を持ち、伝説の「一角獣」のモデルといわれる動物がいる。 アラビアオリックスだ。 アラビア半島の東南端にあるオマーンの「アラビアオリックス保護区」は、一度は野生種が絶滅した動物を自然に戻し、生態系を再構築するという、画期的な自然保護区のモデルとなるはずだった。 それが一転、今や「史上初めて登録を取り消された世界遺産」の汚名を背負うはめになってしまった。 アラビアオリックスはアラビア半島各地に生息していたが、開発や密猟の影響で次第に減少。オマーンの砂漠地帯では72年に最後の野生の1頭が殺され、絶滅した。 この種を復活させるプロジェクトは、オマーンのカブース・ビン・サイド国王(スルタン)が自ら主導、国際的な自然保護団体も積極的に支援して74年に始まった。同プロジェクトやユネスコによると